静脈鎮静法の目的は、治療に対する過度な緊張や恐怖心を和らげ、安心して治療を進めることです。
痛みそのものを完全に取り除くわけではありませんが、鎮静状態により心拍や血圧の上昇を抑える効果があり、治療への拒否感や過呼吸などを防ぐメリットもあります。特に長時間の処置や外科的な施術では、静脈鎮静を併用することで治療の安全性と効率が高まります。
静脈鎮静法はすべての患者さまに必要なわけではなく、治療内容や体調、精神状態などを総合的に見て判断されます。
たとえば、過去に歯科治療で気分が悪くなった経験のある方、局所麻酔だけでは緊張が強く治療に集中できない方には、有効な選択肢となります。反対に、全身疾患のある方や重度の呼吸器疾患をお持ちの方には適応を慎重に判断する必要があります。
治療前には必ずカウンセリングを行い、これまでの治療歴や健康状態、不安や希望などを細かくお伺いします。必要に応じて血圧・脈拍・酸素飽和度などを確認し、静脈鎮静を安全に実施できるかどうかを判断します。持病のある方には主治医との連携も行い、慎重な判断のもとで治療計画を立てます。
治療当日は、専用のモニター機器を用いて全身状態を常にチェックしながら、静脈に点滴で鎮静薬を投与します。数分でリラックスした状態になり、治療中の不安や緊張が和らぎます。眠っているような感覚ですが意識はあり、安全な範囲で治療を進めることが可能です。薬剤の種類や量も患者さまごとに調整され、副作用や過剰投与のリスクを避けた慎重な管理が行われます。
心電図や血圧、脈拍、呼吸状態、酸素飽和度などをモニターで全身状態を常時管理し、わずかな体調の変化にも即座に対応できる体制を整えています。治療の進行に合わせて薬剤の量を微調整し、患者さまの安全を維持します。
治療後もすぐにはご帰宅いただかず、院内でしばらく安静にしていただきながら、意識や全身状態の回復を確認します。鎮静状態がしっかりと覚め、歩行や会話などが問題なくできるようになってからご帰宅のご案内をいたします。ご希望の方には、当日の注意点や翌日以降の体調変化への対応についてもご説明いたします。
静脈鎮静法は安全性の高い方法ではありますが、まれに低血圧・呼吸抑制・アレルギー反応などが起こるリスクがあります。
特に高齢者や持病をお持ちの方、薬剤に対して過敏な体質の方では注意が必要です。当院では治療前に詳細な問診と体調確認を徹底し、万が一に備えたAEDなどの緊急対応機器や体制も整えております。
静脈鎮静法は、ただ薬を投与するだけではなく、患者さまの状態に応じたきめ細やかな管理と経験が必要です。
当院では、これまで数多くの治療において静脈鎮静を導入しており、そのノウハウを活かして一人ひとりに最適な方法をご提案しています。
「治療が怖い」「過去の経験がトラウマになっている」という方も、まずはお気軽にご相談ください。心身の不安に寄り添い、安全な治療を提供いたします。
当院では、静脈鎮静法を用いた治療に豊富な実績があり、不安や緊張を抱える患者さまにも安心して治療を受けていただける体制を整えています。単に薬を投与するだけでなく、歯科治療と全身管理の両面における知識と経験を活かし、患者さま一人ひとりに合わせたきめ細やかな対応を大切にしています。
治療前のカウンセリングでは、既往歴や体調、不安の程度まで丁寧に確認し、必要に応じて主治医との連携も行います。また、治療中はモニターによる全身管理を徹底し、わずかな体調変化にも即座に対応できるよう備えています。
「歯科治療が怖い」「過去に苦い経験がある」「どうしても緊張してしまう」
そんな方にも寄り添い、“眠っているうちに終わっていた”と感じていただけるような、安心で快適な治療体験をご提供します。